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2011年07月 アーカイブ

"フォードシステム"

フォードシステムによるトータルな流れ作業システムの完成は、職務構造の複雑化と、単能工による単純作業の絶対化と結びつきました。


・・・このような現場作業における直接的熟練の排除と、生産工程の管理の特定エリートエンジニアによる掌握と、彼らが集約して作成する作業と生産スケジュールのマニュアルの絶対化は、現場で作業する人々の自分たちの作業についての自主的な作業改善や、創意工夫の芽をつんでしまいました。


・・・その結果、ビッグスリーの工場現場では、かつてフォードのハイランドパーク工場でライン同期化を進めた時代の、積極的な作業改善に向けての意欲は、跡形もなくなってしまったのです。


ビッグスリーの工場は、UAWの強い組織力と交渉力・・・


ならびにその強い経済要求に何とかこたえられるビッグスリーの高い収益性によって、アメリカの他産業に比べ最も高い賃金、社会保障など、有利な条件を確保していました。


それにもかかわらず、1960年代以降、工場ではアブセンティーズム(勤労意欲の低下)が目立ちはじめた。


それはとくに無断欠勤の増加や組立ラインでの飲酒といった形であらわれ、アメリカ車の品質水準の低下を招くことになります。


この傾向はとくに1960年代後半から70年代にかけて顕著となりました。


休日の前後で無断欠勤が増え、働いているワーカーも気持が落ちつかない金曜日や月曜日の車は欠陥だらけだから買うなとまで世間で言われるようになりました。


これはまだ中古車情報が少なかった時代の話です。

検査をきびしくすればよい

品質水準の低下は、一見労働者がやる気をなくし、かつサボることばかり考えていることから由来しているように見えます。


したがって、労働者の素質が悪いことが主な原因とみられがちですが・・・


この品質水準の低下は、いうなればビッグスリーが行ってきた、単能工による単純作業を絶対化し、また現場の作業実態を把握していない一部のIEスペシャリストによるエリート主義的管理の、積年にわたる弊害が生みだしたものなのです。


さらにこのことと密接に関連して、ビッグスリーの品質管理水準も著しく低下してきていたのです。


戦前のアメリカ車の品質は、世界でも最高でした。


・・・そして戦後もその伝統は受けつがれていました。


最近の中古車情報サイトなどでも人気を誇っているほどです。


それがなぜ1960年代後半以降、品質水準が低下したのでしょうか。


それは何よりも、品質というものについてのビッグスリーの労使双方の認識がすこぶる甘くなり、品質問題についての現場のワーカーの協力がえられなくなったこと。


それに、品質管理を特定の専門家だけでやればよいとする風潮が職場に蔓延してしまったためです。

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