硬直的ハイボリューム生産システム
アメリカでも最近は新入社員の現場実習が始まったといいます。
エンジニアそのものが現場と乖離してしまう状態が、とくにビッグスリーでは目立ったのです。
またデザイン大型化競争が派手に展開された中で、ハリーアールをはじめとするスタイリストたちが、技術開発部門でも主流を占め、自動車のメカに強い真のオートマンは割を食うような風潮も生まれたのでした。
1950年代、60年代と、大型化デザイン競争とセカンドカー需要が拡大するという恵まれた市場環境の中で、ビッグスリーが革新的な自動車技術に不熱心になったことはよく知られています。
これは中古車情報が増えはじめたのも理由のひとつだったかもしれません。
これには短期利益志向ということと並んで、硬直的になったハイボリューム生産の絶対化という構造的な問題が深くかかわっています。
1950年代にビッグスリーの寡占体制はまさに不動のものとなりましたが・・・
それはスケールメリットの競争が頂点に達し、規模の経済性が高く、ハイボリューム生産の能力が高いほど競争力が高いという現実がそうさせたのです。
GMなどは5系列の車種をもちますが、それぞれが最低年間40万台程度・・・
シボレーなどは年間80万台以上も生産され、これだけのハイボリュームの生産を絶えず続けていくとなると、新しい技術や新しいメカの採用には臆病にならざるをえません。