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2011年06月 アーカイブ

硬直的ハイボリューム生産システム

アメリカでも最近は新入社員の現場実習が始まったといいます。


エンジニアそのものが現場と乖離してしまう状態が、とくにビッグスリーでは目立ったのです。


またデザイン大型化競争が派手に展開された中で、ハリーアールをはじめとするスタイリストたちが、技術開発部門でも主流を占め、自動車のメカに強い真のオートマンは割を食うような風潮も生まれたのでした。


1950年代、60年代と、大型化デザイン競争とセカンドカー需要が拡大するという恵まれた市場環境の中で、ビッグスリーが革新的な自動車技術に不熱心になったことはよく知られています。


これは中古車情報が増えはじめたのも理由のひとつだったかもしれません。


これには短期利益志向ということと並んで、硬直的になったハイボリューム生産の絶対化という構造的な問題が深くかかわっています。


1950年代にビッグスリーの寡占体制はまさに不動のものとなりましたが・・・


それはスケールメリットの競争が頂点に達し、規模の経済性が高く、ハイボリューム生産の能力が高いほど競争力が高いという現実がそうさせたのです。


GMなどは5系列の車種をもちますが、それぞれが最低年間40万台程度・・・


シボレーなどは年間80万台以上も生産され、これだけのハイボリュームの生産を絶えず続けていくとなると、新しい技術や新しいメカの採用には臆病にならざるをえません。

ビッグスリーの寡占体制

新技術や新メカの採用は、メカニカルな加工や組立技術の面からも採用しにくいし、経済的コスト採算の面でも大きな投資をともないます。


たとえば、ビッグスリーはブレーキにはドラムブレーキを長く使っていましたが・・・


ヨーロッパや日本の小型車には性能のよいディスクブレーキがいち早く採用され、アメリカ車はこのブレーキの採用が10年以上おくれたといわれます。


これなども、ドラムブレーキに何百万台分の生産設備を投資してしまうと、改めてディスクブレーキに投資するのがたいへん大きなコスト負担になるという理由が非常に大きいのです。


このような短期利益志向と、硬直的なハイボリューム生産システムの絶対化にその根源をもつ革新的技術の停滞は、互いに関連し合っています。


またハイボリューム生産システムの優位性が絶対化されることと、ビッグスリーの寡占体制の形成は不可分ですが・・・


寡占体制といっても、その中でビッグスリーの各メーカー間のシェア競争だけは熾烈であり、そのことがよけい短期利益志向を誘発したともいえます。


また、中古車検索システムが開発されたことも理由のひとつかもしれません。


このような短期利益志向と技術停滞が定着してしまった中にあって、もう一つ大きな問題は、硬直的なハイボリューム一辺倒の大量生産方式が生みだしたアメリカ車の品質水準の低下と、労働問題として新たに登場した勤労意欲の低下でした。


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